久留米大学医学部小児科の古賀靖敏です。
@寝たきり状態での骨折のチャンス
骨は、外観は硬いものですが、常に破骨と造骨のバランスで恒常状態(ホメオスターシス)を保っているのです。寝たきりになると、骨を強くするホルモンが甲状腺、副腎、下垂体などから分泌できなくなり、また、運動による筋肉との応答も無くなり、急速に骨から骨塩が失われていき、病的骨折が起こりやすくなります。さらに、MELASでは、内分泌系のホルモン分泌が出来ない人も多く、代表的には成長ホルモン、甲状腺ホルモンなどが足りないことが知られております。特に、成長ホルモン分泌不全はMELASでの合併が多く、低身長が著明な方には分泌が出来ないヒトも多いのです。成長ホルモン分泌不全は成人でも報告されており、体脂肪率増加、病的骨折などがある場合、注射での治療法が日本でも承認されております。通常以上に易骨折性があれば、ホルモンの分泌動態を検査する必要が出てきます。成長ホルモン、甲状腺ホルモンの分泌低下が証明されれば、補充治療することで、易骨折性は無くなります。
Aリハビリに関しては、骨密度を確認した上で、適切なリハビリ処方が必要です。