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投稿日時: 2007-3-29 12:50
投稿者:ゲスト

骨折について

娘は現在12歳ですが、8歳の時にMELASと診断されています。一年半前までは元気に学校へも行っておりましたが、現在は鼻注栄養になり寝たきりです。今月始めから入院していましたが、先日大腿骨を骨折してしまいました。看護師の方が普通に体拭き、体転、オムツ交換をしているだけで骨折なんて今回初めてのことで大変戸惑っています。主治医は病気との関連もあるかもしれないいが、寝たきりの状態の人は骨がもろくなると言っています。実際に骨密度などはまだ調べていませんが、素人判断では、一年半前まで元気に走り回っていたのにそんなに骨がもろくなるのかと疑問に思います。今回の骨折のせいで関節拘縮予防のリハビリさえ骨折のリスクがあると中止になりました。ただでさえ日々硬く成って来る関節のリハビリさえ受けさせてやれないのかと納得のいかない気持ちです。何もしないことは簡単な事ですが、その判断によって子供の体は日々動かなくなってきます。ミトコンドリア病と骨折の関係、そしてリハビリに対する先生方のお考えを是非お聞かせいただきたいと思います。宜しくお願い致します。

投稿日時:2007-3-29 14:59
投稿者:yasukoga

Re: 骨折について

久留米大学医学部小児科の古賀靖敏です。
@寝たきり状態での骨折のチャンス
骨は、外観は硬いものですが、常に破骨と造骨のバランスで恒常状態(ホメオスターシス)を保っているのです。寝たきりになると、骨を強くするホルモンが甲状腺、副腎、下垂体などから分泌できなくなり、また、運動による筋肉との応答も無くなり、急速に骨から骨塩が失われていき、病的骨折が起こりやすくなります。さらに、MELASでは、内分泌系のホルモン分泌が出来ない人も多く、代表的には成長ホルモン、甲状腺ホルモンなどが足りないことが知られております。特に、成長ホルモン分泌不全はMELASでの合併が多く、低身長が著明な方には分泌が出来ないヒトも多いのです。成長ホルモン分泌不全は成人でも報告されており、体脂肪率増加、病的骨折などがある場合、注射での治療法が日本でも承認されております。通常以上に易骨折性があれば、ホルモンの分泌動態を検査する必要が出てきます。成長ホルモン、甲状腺ホルモンの分泌低下が証明されれば、補充治療することで、易骨折性は無くなります。
Aリハビリに関しては、骨密度を確認した上で、適切なリハビリ処方が必要です。

投稿日時:2007-4-6 13:53
投稿者:ゲスト

Re: 骨折について

古賀先生、お忙しい中有難うございました。骨密度は骨折が固定されてから計測してもらう予定です。その結果でリハビリに関しては主治医と相談してみます。