日本ミトコンドリア学会
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> 乳酸・ピルビン酸の値と、脳卒中発作の関連について。
投稿日時:
2007-3-29 10:51
投稿者:ゲスト
乳酸・ピルビン酸の値と、脳卒中発作の関連について。
何時もお世話になっています。
ミトコンドリア脳筋症(MELAS3243A→G)の8歳の男の子の母です。
先日、血液検査を行いその結果が出ました。
血中の乳酸値62.8 ピルビン酸値1.82と言う結果でした。
一昨年夏から、この数値を計っていますが、乳酸については84.5〜62.8 ピルビン酸については1.65〜1.82の間で推移しています。
昨年の11月に初めての脳卒中様発作を経験しましたが、早期のアルギニンの静注処置で、幸い後遺障害も有りませんでした。
今は、再発の無いように日頃の健康管理に今まで以上に、注意して生活をさせています。
前記の、乳酸・ピルビン酸の数値は正常値よりも未だ高めですが、この数値と発作との因果関係は有るのでしょうか?
また、一度発作を経験すると再発の危険は有ると、思わないといけないものなのでしょうか。
8歳と言う年齢になり、とても心配でなりません。
数値に関しては、高いなりにも変動幅が少ないので、今のところは心配ないと、主治医は仰っていますが…。
専門の先生方の、ご意見を宜しくお願い致します。
投稿日時:2007-3-29 12:25
投稿者:yasukoga
Re: 乳酸・ピルビン酸の値と、脳卒中発作の関連について。
久留米大学医学部小児科の古賀靖敏です。
@乳酸・ピルビン酸値と発作の関係
24例のMELAS患者様(すべてA3243G変異)で、発作急性期と非発作時の乳酸・ピルビン酸値、アミノ酸分析その他の検査値を多変量解析しましたが、乳酸・ピルビン酸値では、発作を予測することは出来ません。しかし、一旦発作が起こると、血中および髄液中の値が、いつもの値よりさらに高くなります。検査で一番発作予測できるのは、アルギニンが非常に低くなる事です。これは、アミノインデックスという式で発作予測可能です。しかし、アミノ酸検査の欠点は、分析に一週間かかることで、これでは、予防の検査としては利用出来ません。アミノ酸の迅速検査システムが必要です。乳酸・ピルビン酸値の高低に一喜一憂する必要はありません。
A再発の危険性
全国MELAS二次調査の結果では、96名のMELAS患者の85%が2回以上の発作を経験されております。しかし、15%は、1回の発作のみでした。再発危険性は高いと考えて良いと思います。しかし、アルギニン服薬されている方の3年以上の長期データは未だありません。
B危険因子
現在考えられている発作の危険因子として、発熱、脱水、嘔吐下痢症、精神的ストレス、過度の緊張状態、寒冷曝露、バランスの悪い食事、肥満、糖尿病、ある種の薬物(血管を収縮させる薬剤)などがあります。それらの悪化因子に対して、生活の中で注意されることが大切です。
投稿日時:投稿日時:2007-3-29 15:57
投稿者:ゲスト
Re: 乳酸・ピルビン酸の値と、脳卒中発作の関連について。
古賀先生、早急なご返答有り難うございます。
一度、発作を目の当たりにしてしまうと、どうしてもその時の事が頭から離れず、乳酸値も高めなのが気になっていました。
先生のご説明で少し安心致しました。
これからも、食事面や環境面に配慮して生活させていきます。