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投稿日時:2007-2-18 0:05
投稿者:ゲスト

広島からです 始めて 相談いたします

67歳の父親です。息子が20歳の時仕事中に 病で倒れました。 最初の診断では脳血栓で脳の一部壊死が有るとの診断で 麻酔が切れてから大変でした。
40日間暴れるので妻と二人で24時間付き添いましたが、付き添いの限界を感じて 主治医に相談いたしまして 付き添いのいらない別の病院を紹介して頂き転院をいたしました。
其れから3ヶ月入院治療を致しました 病状が良くなり通院治療にいたしました。 其れから2年位経ち以前のように良くなり 仕事に就きました。 毎日元気よく4年間就労いたしましたが 仕事中言語が脳では分るのですが言葉に成らず再入院いたしました。
入院先の病院に 大学病院の脳神経内科専門先生が来院しておられ ミトコンドリア脳筋症の疑いが有るとの事で 精密検査をして頂きました結果病状が確定いたしました。
大学病院を退院してから2年位して 軽い仕事に付いても良いと許可が出ましたので 三ヶ月働きましたが今度は視野が狭くなる症状が出てきました。
昨年の夏に再入院して 現在は自宅治療しております。
私たちも70歳近くになり 最後まで息子の面倒を見る訳にもいかづ思案いたしております。
本人も最近は不安なのか家に閉じこもりがちです、先生に相談しても決め手が無いのか苦慮しておられます。
書物で色々勉強はしておりますが 少しでも改善の未透視が有るのでしょうか。
宜しくお願いいたします。 

投稿日時:2007-2-27 17:51
投稿者:takahiro

Re: 広島からです 始めて 相談いたします

北里大学神経内科の飯塚と申します.MELAS(メラス)という脳卒中様発作を特徴とするミトコンドリア病の患者さんを中心に診療を行っています.
 お手紙の内容から推測しますと,ご子息は脳病変を繰り返していらっしゃるとのこと,第一回目の発作では,仕事中に突然発症し,その後不穏状態が持続したとのことですので,おそらく右大脳半球の広範囲な障害による意識障害と脱抑制で不穏状態に陥られたのではないかとと推測します.2回目の発作は,言葉は理解はできるがうまく話せないという運動性失語を生じていらっしゃる様ですので,左大脳半球に障害が生じたのではないかと思います.そして,今回は,視野障害が生じていることから,左右いずれかの後頭葉に新たに病変が出現したものと推測します.
 このように脳卒中様の発作を繰り返すのが,メラスと言われているミトコンドリア脳筋症です.しかし,不整脈や心臓病がある場合には,若くても,真の脳梗塞を生じることもあります.血液の凝固異常でも生じます.
 その後精査の結果確定されたと言うことは,メラスという病型の診断が確定したと言うことでしょうか? 
 もし,メラスであるとしますと,メラスの患者様は,頭痛や痙攣発作を繰り返す方が多く,しかも,脳卒中様発作を起こされた場合にも頭痛発作や痙攣発作で始まるのが多いのも特徴です.その点は如何でしょうか? 筋生検や血液による遺伝子検査もされたのでしょうか?
 メラスと診断された場合,根本的な治療薬や予防薬はないかも知れませんが,病態に即した治療や予防薬はあると思います.主治医の先生に是非ご相談されることをお勧めします.尚,L-アルギニン療法も期待されている薬の一つです.

投稿日時:2007-3-1 0:23
投稿者:ゲスト

Re: 広島からです 始めて 相談いたします

飯塚先生お返事有難うございました。
大学病院では、筋生検の結果も、遺伝子検査の説明もありました。
昨年の8月には自宅で痙攣発作があり、病院で治療中にも二回痙攣発作がおきました。
以後は痙攣の薬と ジクロロ酢酸を増量して落ち着いておりす。
食欲もあり最近では仕事にも就きたいようですが、体力を使うと発病するため、就業にも就けづ、本人が自信を失くして居る様で心配です。
主治医の先生にも色々と心配して頂いては居りますが、親として生活の保障も無く彼の将来の事を考えると夜も寝られません。
此れからも良い情報が在りましたら宜しくお願いいたします。