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投稿日時:2007-2-11 23:09
投稿者:ゲスト

不随意運動?

以前呼吸障害について相談させていただきました。息子がリー脳症です。その節はありがとうございました。その後延髄の病変も見つかり、気管切開に踏み切りました。幸い人工呼吸器もはずせるようになり、笑顔も見せてます。ただ、2ヶ月近い入院のためのストレスなのか 筋緊張や不随意運動のようなものがとても強くなりました。手足の指は左側は握ったまま右側は開いた状態にもなってます。大脳基底核の病変はさほど大きく変化してないとの事ですが、リー脳症の症状でしょうか?近いうちにジクロロ酢酸を試してみることになってます。
現在処方されているのは ハイボン アリナミンF ノイキノン タウリン アルギU Lカルニチン テルネリン アーテン です。何か他にいい薬、又は、副作用が疑われる薬などありましたら、教えていただけますか?ちなみにジクロロ酢酸は経過次第で中止することになってます。よろしくお願いします。

投稿日時:2007-2-14 15:26
投稿者:ゲスト

Re: 不随意運動?

国立精神・神経センターの後藤雄一です。

 ミトコンドリア病で用いられる薬については、このドクター相談室で何度かお答えしています。ミトコンドリアの機能(エネルギー産生)を高める意図で使われる薬(ハイボン、アリナミンF、ノイキノン、カルニチン)、主にMELASに関連して効き目があるかもしれないとされている薬(タウリン、アルギU)、筋の緊張を減らす意図の薬(テルネリン、アーテン)を使われていると思います。しかしながら、ミトコンドリアの機能を高めるものはどれも確実な効果をあげるかどうかを確かめられたものはありません。今後近いうちにアルギニン(のみ薬がアルギUです)が、きちんとした治験を行い、MELASという病気の人でその有効性が確かめられるかどうかという状況です。ジクロロ酢酸についても、過去のこの相談室でのやりとりを参考にしてください。
 薬はいろいろなものを同時に飲むとお互いが作用し合って思いがけない副作用がでることがあります。ビタミン剤などはもともと体に存在しているものを補充しているだけですから、副作用がでることはほとんどありませんが、強い作用をもつ薬であればあるほど、そのようなことがおきることがあります。したがって、多くの薬を飲むときには注意が必要です。
 ミトコンドリア病の原因となっているミトコンドリア機能の向上に直接的に効果のある薬というのは現在のところはありません。ですから、症状に応じて、それをなくしたり、和らげたりできる場合に薬を使います。主治医に現在の状況を詳細に把握してもらって、それに応じた薬があれば処方していただくことが最善と思います。

投稿日時:2007-2-15 15:11
投稿者:ゲスト

Re: 不随意運動?

お忙しいところありがとうございました。主治医の先生ともよく相談していきます。