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投稿日時:2007-1-13 15:20
投稿者:ゲスト

体調維持に関して。

何時もこの相談室を利用している者です。ミトコンドリ病MELAS(3234A→G/現在7歳)の息子についての質問です。昨年の11月に初めての脳卒中様発作を経験し、早2ヶ月が過ぎました。嘔吐・痙攣・意識障害を伴い、同日に2度発作がありましたが、アルギニンの静注の処置により、後遺症は有りませんでした。その後発作は起きていません。再度、発作を起こさない様、今まで以上に健康管理には留意している所です。入院中に、一通りの検査をし異常は診られませんでしたが、もともと、血中の乳酸・ピルビン酸値が異常に高く有ります。発作時にはこの検査はしていません。前回行ったのが、昨年の7月でした。この検査は定期的に行った方だ良いのでしょうか?また、併せて実施して頂いた方が良い検査等が、ございましたらご指導お願いします。これからの体調維持のためにも、良いと思われることは、積極的にして行きたいと思います。心電図・心エコーは昨年の6月に実施済みです。

投稿日時:2007-1-13 15:20
投稿者:ゲスト

Re: 体調維持に関して。

3234(誤)3243(正)です。失礼しました。

投稿日時:2007-1-13 16:30
投稿者:yasukoga

Re: 体調維持に関して。

久留米大学医学部小児科の古賀靖敏です。
MELAS(A3243G変異)の息子様での体調維持に関するご質問ですね。
患者様の体調管理に関し、一般的な指標は無いのです。従って、私の病院受診での検査項目を記載します。
重症度の指標として
1)乳酸・ピルビン酸の各々の値およびその両者のモル比(細胞質の酸化還元電位の指標であり、正常では10です。乳酸・ピルビン酸の値そのものが高ければ高いほど重症であり、かつ、モル比が高いほど重症です)頻回に検査する必要はありませんが、何か病状が進行するか気になる症状があった場合検査されるとよいと思います。
2)ケトン体比(ベータヒドロオキシ酪酸とアセト酢酸のモル比で表し、ミトコンドリアマトリックスの酸化還元電位の指標であり、正常では3です。この比が高いほど重症です。)頻回に検査する必要はありませんが、何か病状が進行するか気になる症状があった場合検査されるとよいと思います。
3)血液ガスと電解質からアニオンギャップ(体の酸性の程度をみる指標であり、重症ほどアニオンギャップ値が高くなります。正常では16までであり、酸がたまっていれば、抗アシドーシス剤の服薬が必要です)
4)アミノ酸分析(L−アルギニンが少なくなると脳卒中様発作が起こりやすくなりますので、月に一回は検査しています)
5)カルニチンの値(脂肪を燃やすのに必要な微量栄養素で大切です。食事が細い方、肉類の摂取が少ない方、抗痙攣剤を多剤服薬されている方は、検査すべきです。半年に一回は検査しています)
6)頭部CT、頭部MRIは、脳のかたちの異常を検査するものです。必要があれば、検査すべきです。症状の変化が無くても、半年に一回は必要です。
7)脳SPECTは、脳内の血流の状態を検査する方法です。症状の変化が無くても、年に一回は必要です。
8)心電図、心ECHO検査は、合併症である心臓の異常を早急に見つけるための検査です。WPW症候群、肥大型心筋症の早期発見に有用であり、症状の変化が無くても、年に一回は必要です。
9)脳波検査
10)その他には糖尿病の検査のために一般採血時にヘモグロビンA1Cも出しております。
思いつくままに記載しましたので、漏れているかもしれません。

また、MELASの脳卒中様発作の発作時の治療および発作を予防するために治験研究が2007年4月から始まる予定です。発作の予防目的で、治験エントリーを募集しますので、主治医の先生にもお話ししてみて下さい。詳しくは日本医師会治験促進センター(http://www.jmacct.med.or.jp/)に載っております。
投稿日時:2007-1-15 21:58
投稿者:ゲスト

Re: 体調維持に関して。

古賀先生、詳しくご説明頂き有り難うございました。気になる検査項目を、次回診察の際に主治医にお願いしてみようと思います。それと併せて、4月から始まる治験についても伺って見ますので、又何か有りましたらご指導お願い致します。