東京女子医大小児科の中野です。
13513変異のLeigh脳症のご子息の呼吸症状が気になるとのご相談ですね。
一般論ですがLeigh脳症に呼吸器症状は合併しやすい症状のひとつです。私たちは、Leigh脳症の臨床症状とMRIの病変部位を対応させて検討したのですが、呼吸器症状は脳幹の病変、特に延髄の病変に対応します。この部位が障害を受けると中枢性の無呼吸症状が出てしゃくりあげるようなまたは息を止めるような呼吸になります。ご子息の呼吸症状は中枢性の無呼吸症状の可能性があります。この診断にはアプネアモニターという検査を行うことで中枢性かどうかわかります。
治療についてですが、Leigh脳症に関しては、症状が必ず改善するという治療薬は、残念ながらまだ開発されていません。ミトコンドリア脳筋症のMELASではL-アルギニンが有望視されていますが有効性が同等以上の治療薬はLeigh脳症にはありません。しかし、個々の患者さんでノイキノンがある程度有効であったり、クレアチンがある期間有効の場合があり、ケースバイケースで患者さんの状態や治療に対する反応を見ながら調節しています。よく主治医の先生と治療方針についてご相談されることが大切だと思います。