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ドクター相談室 > 過去のドクター相談室3 > 嘔吐を伴う半身痙攣

投稿日時:2006-11-8 22:08
投稿者:ゲスト

嘔吐を伴う半身痙攣

いつもお世話になています。MELAS(3243A→G)7歳の息子についてですが、先日の月曜に学校より帰宅後、疲れたと言って、休息しておりましたが、一旦トイレへ起きた際に、足元がふらつく、トイレの場所を間違う、と言った気になる動作が有り気に掛けておりました。30分しないうちに、激しく嘔吐をし始め、それと共にぐったりしたので、急いで救急外来へ向かいました。
その道中にも、激しい嘔吐があり、これが3度目でした。それと同時に右手を突き上げるような仕草と、右後方へののけぞり、意識障害が診られ、病院へ着くと直ぐに点滴治療となりました。
救急担当の医師は、少しミトコンドリア病への知識は有ったようで、カルテも有りますので、その疑いの元、血液検査等をすすめ、もろもろの検査は異常が無く、この地域ではやっている「嘔吐・下痢」の疑いもおると言われましたが、点滴処置中に2度目の痙攣発作が出現(一度目から約1時間後でした)。今は開業されている主治医に連絡を取り、嘔吐を始めてから、約4時間後に「アルギニン」の静注を行い、その後発作は診られませんでした。
3日間の入院中に、MRI・MRA・睡眠中の脳波検査をしましたが、いずれも、異常がありませんでした。
念のため、1ヵ月後に再度MRIを撮る様になっていますが、このたびの発作は、ミトコンドリア病の「脳卒中発作」の前触れと言う事も考えなければいけないと言われています。
何時何処で、どういった状況下でも起こり得るし、予測も出来づらいとも、言われていますが、他の先生方のご意見も伺いたく、早々に質問させて頂きました。
今回は「次回再発したら」と言う事で、痙攣止めの処方はされていません。長々と書き連ねましたが、宜しくお願い致します。
今は心を平成に保つのに、必死な状況です…。

投稿日時:2006-11-27 13:07
投稿者:yasukoga

Re: 嘔吐を伴う半身痙攣

久留米大学医学部小児科の古賀靖敏です。
MELAS(3243A→G)をお持ちの7歳の息子様の件、お手紙拝見しました。厚生労働科学研究班のMELASの脳卒中様発作の診断基準では、頭痛/嘔吐に加えて、以下の3つの症状の中で、1)眼の異常(一過性失明、半盲)、2)(半身)痙攣、3)(片)麻痺のいずれか一つでも臨床的に揃った場合、脳卒中様発作と診断します。頭部画像上の明確な異常も重要な所見です。したがって、この基準に照らすと、お子様の今回の症状は、明確な脳卒中様発作として良いと思います。脳卒中様発作が起こって、6時間以内にL−アルギニンを点滴静注すれば、速やかに症状の回復がみられることが多いのですが、何度も脳卒中様発作を繰り返していたり、発作が起こってからL−アルギニン治療の開始までが1日以上たったりした場合、治療効果が悪くなります。私の経験では、発作の始まりから2−3時間以内にL−アルギニンを静注しますと、その後MRIで検査しても、明らかな変化はみられないことが多いのです。
発作の誘因は、ストレス、発熱、脱水、嘔吐・下痢症などの感染症、暑すぎるか寒すぎるかなどの気温の関係など様々な要因が挙げられます。脳卒中様発作は、夏場および冬に多いと思います。ケアーする上で注意が必要です。抗痙攣剤は、今後痙攣様動作が頻繁に続くようであれば、必要になるでしょう。来年には、L−アルギニンの治験研究が始まりますので、このドクター相談室でもお知らせします。

投稿日時:2006-11-27 16:18
投稿者:ゲスト

Re: 嘔吐を伴う半身痙攣

古賀先生、お返事ありがとうございました。アルギニン内服を始めて1年以上が経過し、発作も無く過ごして居ましたところの、突然の出来事で、正直ショックでした。しかし、先生より送られていました「MELAS急性期におけるL-アルギニン療法」の処置どおり、的確に対処が出来、今回は後遺障害も無く以前通り身体も回復が出来ました事に、心より感謝致しております。今後の事も考えて、病院近くの養護学校へ転校し、体調の管理を今まで以上にしていくように、考えております。春と秋に開かれている、勉強会へは諸事情のため参加が出来ず、歯がゆく思っておりました。また、新しい情報等がございましたら、お教え下さい。お忙しい中、ご回答下さりありがとうございました。