北里大学神経内科の飯塚です.
メールの内容からお察ししますと,お子様は,誤嚥性肺炎を繰り返し現在病院にご入院中にあるということでしょうか,あるいは経管栄養をしながら在宅療養をされていらっしゃるのでしょうか?
時々開眼する程度とのこと,何度か脳卒中様発作を繰り返し,言語機能,運動機能,嚥下機能が障害されていると思います.
御指摘のように,サブスタンスPの低下も嚥下障害に関与しており.脳梗塞患者様やご老人で嚥下機能が低下している方にACE阻害を処方することがあります.
お子様は19歳ですし,痩せてはいらっしゃいますが,成人と同様に考えても差し支えないと思います.経管チューブから薬を粉にして処方することは可能と思われます.
しかし,実際はそれ程劇的な効果が期待できるものではありません.ACE阻害薬は本来降圧剤ですので血圧を低下させてしまう可能性もあります.また,腎機能障害時には注意が必要です.
これらの薬は,経口摂取可能で,会話もでき,座位保持可能な位の軽度な脳障害の時期には有効かも知れませんが,お子様のように臥床状態で反応が鈍い状況下ではお勧めしません.むしろ,栄養補給(点滴か経管栄養)と肺炎などの感染症の治療が最も重要であると思います.主治医の先生とも十分にご相談下さい.