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ドクター相談室 > 過去のドクター相談室3 > MELASの19歳、誤嚥性肺炎

投稿日時:2006-9-26 7:07
投稿者:ゲスト

MELASの19歳、誤嚥性肺炎

はじめまして、ジクロロ酢酸の減量から痙攣が続き呼吸状態が悪く浅表性でまた催眠剤の為に分泌物も増加してしまい嚥下反射や咳嗽反射が低下し誤嚥性肺炎になりました。痰詰まり陥没呼吸で呼吸が止まる事もあります。レベルが落ちて8月初めには発語もありましたが今では時々開眼する程度です。誤嚥性肺炎は老人の場合脳内のサブスタンP不足で咳反射が低下する為との見解でACE阻害剤やドパーミンを補うなど有効らしいと書いてありましたが19歳で31kの子にも効果があり今の状態を持ち上げる事が出来るでしょうか?教えて下さい!


投稿日時:2006-9-30 20:25
投稿者:ゲスト

Re: MELASの19歳、誤嚥性肺炎 

北里大学神経内科の飯塚です.
 メールの内容からお察ししますと,お子様は,誤嚥性肺炎を繰り返し現在病院にご入院中にあるということでしょうか,あるいは経管栄養をしながら在宅療養をされていらっしゃるのでしょうか? 
 時々開眼する程度とのこと,何度か脳卒中様発作を繰り返し,言語機能,運動機能,嚥下機能が障害されていると思います.
 御指摘のように,サブスタンスPの低下も嚥下障害に関与しており.脳梗塞患者様やご老人で嚥下機能が低下している方にACE阻害を処方することがあります.
 お子様は19歳ですし,痩せてはいらっしゃいますが,成人と同様に考えても差し支えないと思います.経管チューブから薬を粉にして処方することは可能と思われます.
 しかし,実際はそれ程劇的な効果が期待できるものではありません.ACE阻害薬は本来降圧剤ですので血圧を低下させてしまう可能性もあります.また,腎機能障害時には注意が必要です.
 これらの薬は,経口摂取可能で,会話もでき,座位保持可能な位の軽度な脳障害の時期には有効かも知れませんが,お子様のように臥床状態で反応が鈍い状況下ではお勧めしません.むしろ,栄養補給(点滴か経管栄養)と肺炎などの感染症の治療が最も重要であると思います.主治医の先生とも十分にご相談下さい.

投稿日時:2006-9-30 23:26
投稿者:ゲスト

Re: MELASの19歳、誤嚥性肺炎

飯塚先生、御丁寧なお返事ありがとうございます。
お返事のメール内容通りの状態で酸素吸入をして臥床しています。
いつ挿管してもおかしくない様な状態で肺に痰の貯留がひどくて、のどを押して咳反射でのサクションも大変です。
最近では、心肥大傾向で降圧利尿剤も使っています。腎機能は問題ありませんが、ラシックスですけどACE阻害薬になるのでしょうか?
歩行して会話もしていたのに今ではとても残念な状態になってしまいました。主治医の先生にも相談しながら子供を観て行きたいと思います。

投稿日時:2006-10-1 18:50
投稿者:ゲスト

Re: MELASの19歳、誤嚥性肺炎 

北里大学の飯塚です.
そうですか,大変つらい状態ですね.
心肥大もMELAS患者さんで認めることがあります.尚,ラシックスはACE阻害薬ではありません.
たとえ臥床状態でも,話しかけたり,手をさすったり,足をもんだりすることは重要なことだと思います.お子様が少しでも改善されることをお祈り申し上げます.

投稿日時:2006-10-1 22:02
投稿者:ゲスト

Re: MELASの19歳、誤嚥性肺炎 

飯塚先生には負けそうになる自分に、勇気づけられる様なお言葉をかけていただきましてどうもありがとうございました。