記（3234）は、（3243）の間違いでした。訂正いたします。

久留米大学医学部小児科の古賀靖敏です。
ミトコンドリア病のMELAS(A3243G)と低身長の関係ですね。
以前の骨密度との関連の投稿時にお答えしましたので、その部分を一部引用します。
「MELASで背が低い要因に、成長ホルモン分泌不全があります。24名のA3243Gを有する患者様で身長の統計を取ると、平均身長が、同性同年齢の方１００名で前から2番目以下でした。その方たちの成長ホルモン分泌を測定しますと、95％に分泌不全が判明しました。骨端線が閉じていないMELAS患者に成長ホルモンの補充をしましたら、伸長が得られました。しかし、MELASと診断されていない方と背の伸びを比べると、明らかに伸長が遅いのです。つまり、MELAS患者では成長ホルモンも出ないし、補充しても正常な方とは、反応性が悪いことがわかりました。・・・」
さて、お子様の件ですが、成長ホルモンは正常以上に出ているとの事でした。この値は、負荷テストした後の結果でしょうか？それとも、IGF-1のみの値でしょうか。
成長ホルモンの正常な分泌は、主に夜間睡眠中に起こります。毎日のホルモン分泌が正常であるかをみる場合、本当は病院に入院して、夜間の分泌を測定することが大切です。しかし、病院が空いている昼間に分泌状態を確認する場合、通常２つの方法が取られます。一つは、成長ホルモンの分泌を刺激する薬剤を使って、どれだけ分泌する力があるかみる方法、二つ目は、IGF-1という成長ホルモンの代謝物を測定する方法です。７歳であれば、IGF-1は、２００以上出ている事になります。しかし、これらの確認方法では、まだ分泌不全を判定するのに充分では無いことがわかってきています。
大事な事は、お子様の伸長速度（年間の背の伸びが平均に比較しどうなっているのか）を継続して観察する、手根骨をとって骨の成長を判定する事です。総合的に考え、成長ホルモンや甲状腺ホルモンなどの分泌不全が疑われた場合は、専門医に相談された方が良いと思います。

古賀先生、何時もお世話になります。
昨年の６月の検査では、朝一番の尿を３日間採って、検査をして頂きました。
検査方法等は詳しく如何って居ません。
その結果、成長ホルモンは正常値以上出ていると言う事でした。
手の骨のレントゲンとかも撮っていません。
古賀先生のご説明では、以上の検査のみでは「成長ホルモン分泌不全」とは言い切れないようですね。
次回検診時に、主治医に相談してみます。
詳しいご説明有難うございました。