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投稿日時:2006-8-12 0:58
投稿者:ゲスト

教えてください。

はじめまして。首すわりは3ヶ月、歩き出したのは11ヶ月、言葉の遅れも全くなく成長していた長男が1歳10ヶ月のときにいきなり歩行が困難になり救急車で運ばれて入院、検査、診断の結果、ミトコンドリア病リー脳症ではないかと診断されました。しかし、入院から一週間後には乳酸、ピルビン酸の値が正常に戻り入院期間一ヶ月弱の間に自力で歩いたり立ち上がる事も出来るようになり退院。その後も元のように他の子と何も劣ることなく成長し、今年5歳になります。最近はひらがなを練習しています。3ヶ月に一度の定期健診を除けば病気の事も忘れるくらいです。これでも、目に見えなくても病気が体の中で進行していたりするのでしょうか?またいつか大きな発作が起きることがあるのでしょうか?診断が間違いということはないのでしょうか?先の見えない病気だけに不安です。

投稿日時:2006-8-13 17:56
投稿者:gyuichi

Re: 教えてください。 

精神・神経センターの後藤です。
リー脳症と確実に診断されたのでしょうか?これだけの情報では、ご質問の内容に適切にはお答えできません。まず、臨床経過も、診察所見も、検査所見もよく知っている主治医にお聞きになるべきと思います。この相談室は、すべての方が見ることができるものです。基本的に一般的な事項についてはお答えできますが、個別の症例の、診断が正しいか、症状はどうなるか、などについては回答が困難です。

投稿日時:2006-8-14 21:20
投稿者:ゲスト

Re: 教えてください。

後藤先生がおっしゃられるように、経過や検査の値をよくしっている主治医の意見がもっとも重要だと思います。ただ、今はセカンドオピニオンを気楽に聞ける時代です。メールからの情報だけですので、正確かどうかは自信がありませんが、このような考えもあるということでお聞きください。

お子さんは1歳10ヶ月の時に突然神経系の異常を来しておられます。乳酸、ピルビン酸値が高かったのでミトコンドリア病と診断されたのでしょう。しかし1週後には乳酸値は正常となり、1ヶ月後には歩行可能となっておられます。リー脳症と診断されたのは脳のCT/MRIで異常があったのでしょうか?そこがキーポイントです。リー脳症ですと、脳の基底核と脳幹というところに変化があります。この変化は消えることはまずありません。そこを主治医にお聞きになるとよいと思います。

リー脳症は原因がいろいろです。普通は病気はだんだんと悪くなるのですが、中には進行がとまったり、よくなる人もいます。乳酸値も一時的には高くても、正常に落ち着く人もいます。

お子様がリー脳症かどうかは以上の理由からなんとも言えません。でも、リー脳症の大半は病気が進行します。1歳10ヶ月の時、一時的に、それも突然、悪くなり、その後はなんともないとなると、リー脳症の可能性はとても低くなります。

くどいようですが、主治医にこれだけをご確認ください。今も、脳の基底核、脳幹にCT/MRIで異常があるかどうかです。もし、それがなければリー脳症の可能性はほとんどありません。ということは、お子様はミトコンドリア病の可能性はほとんどないということです。1歳10ヶ月のときの病気は脳炎、脳症だった可能性が大きくなります。脳炎、脳症でも、とくに痙攣でもあればミトコンドリア病でなくても乳酸値は高くなります。

埜中征哉

投稿日時:2006-8-16 12:42
投稿者:ゲスト

Re: 教えてください。

歩行可能となったのは2週間後です。自力で立ち上がれるようになったのが3週間後です。最初のMRIで、病変の広がりが線条体のほか視庄、中脳水道周囲にもあり、しかも線条体の病変が左右対称であったためミトコンドリアではないかといわれました。最後にMRIをとった2年前には病変はなくなったと聞いております。代表的なミトコンドリアDNA遺伝子の検査と酵素活性測定では陰性でした。主治医の先生も先生の転勤やら私たちの転勤のため今の先生で3人目です。紹介はしてもらっています。先生によって今までの経過が良すぎるのでミトコンドリアではないかもといわれたり、ミトコンドリアで間違いないといわれたりで、私たちも混乱しています。また来週しばらく撮ってないからということでMRIをとる予定です。ビタミンB1も飲むよう勧められています。

投稿日時:2006-8-16 16:09
投稿者:yasukoga

Re: 教えてください。

久留米大学医学部小児科の古賀靖敏です。
症状の記載のみでは、ミトコンドリア病と類似する他の病気も否定しなければいけないと思います。それには、限局性脳炎、脳症、急性播種性脳脊髄炎、急性小脳失調症(症状からのみ)などもミトコンドリア脳筋症(Leigh脳症)と共に鑑別に挙がると思います。私も、他の大学病院で急性期に治療され、ミトコンドリア病疑いで紹介になった両側線状体壊死像を示す患者様で、現在全く元気な方を2人外来フォロー中です。
このような画像上異常がはっきりしていながら、ミトコンドリア病の経過とは異なる病気があるのだと感じております。現代の医学では、振り分けることの出来ない病気も多く残っていると感じております。
お子様で大事なことは、今元気であれば、今すぐに診断をつけることではなく、発育発達を経過を追って診ていくことだと思います。時間をかけることで、自然に診断がつく事もあります。

投稿日時:2006-9-19 16:18
投稿者:ゲスト

Re: 教えてください。

参考になるか分かりませんが私の息子も1歳まで順調に成長していましたが突然に意識障害、運動障害を起こし入院・検査の結果で乳酸値が高い、MRI検査で病変があるとの事で「リー脳症の疑い」と診断されました。入院後直にチアミンの投与をはじめ直に検査数値に反応があったと聞き、10日後に再度撮ったMRIでは入院時に確かにあった病変がまったくなくきれいに消えていました。その間の息子の回復も目覚しく結局三週間で退院となりました。退院後に処方されていたアリナミンを止めても検査結果に異常がないので2ヶ月で止めました。息子は来月2歳になりますが退院後も順調に成長して市の1歳6ヶ月検診でも問題なく「クリアー」でした。今ではおしゃべりもじょうずで元気に走り回って遊んでいます。

退院後に主治医に入院までの息子の「生活の様子」を細かくレポート状にして提出した結果に浮上したのが「ウェルニッケ脳症の疑い」でした。と言いますのが息子は夏場の離乳に失敗してミルクも飲まなくなりかといって離乳食もあまり食べずにただひたすら「イオン飲料」を飲んでいました、その量は一日3リットル以上になりました。栄養摂取不足に「イオン飲料」の多飲による糖分過剰摂取でビタミンB1不足になり結果ウェルニッケ脳症になったとの説明だったと思います。リー脳症とウェルニッケ脳症の症状は良く似ていると聞きました。

投稿日時:2006-9-19 17:00
投稿者:yasukoga

Re: 教えてください。

久留米大学医学部小児科の古賀靖敏です。
私が経験しましたペットボトル症候群は、2歳で毎日ポカリスエットを3リットルお水代わりに飲んでいた方で、6ヶ月経過後に急性の脚気症状と共に、心不全で心臓および肺に水が貯まって発見されました。結局、糖質とカップラーメンが主体の偏った食事で、ブドウ糖の代謝のみが促進され、その代謝に必須のビタミンB1(塩酸千アミン)が不足する事でピルビン酸脱水素酵素が働かなくなり、ピルビン酸脱水素酵欠損症と同じ状態になってしまいました。一種の食事の乱れから来るミトコンドリア病であります。遺伝的にピルビン酸脱水素酵素欠損であるリー脳症と類似症状を呈します。腱反射消失、心電図の異常、心不全があることから、本症を疑い、すぐにビタミンB1注射で回復しました。ウエルニッケ脳炎も、アルコール中毒患者できちんとした食事をしないために起こる事が知られており、病態はほぼ同じと考えます。

投稿日時:2006-9-22 10:43
投稿者:ゲスト

Re: 教えてください。

先日、MRIをとりました。結果は、病変は今もないそうです。エネルギーがないときに白く写る撮り方もしましたがそれも問題ありませんでした。一安心です。しかしこの相談室を見ていて、息子の症状で一つ気になることが出来ました。生まれた頃から、3ヶ月に一回くらいの割合で、マーライオンのように、吐くことがあります。これはミトコンドリア病のせいなのでしょうか。吐く前は、お腹が痛いと言い出し、お菓子も食べなくなるので、親としては、もうすぐ吐くかなと分かります。吐いたものは黄色い胆汁と消化しきれていないものです。勢いがいいので、鼻からも黄色い汁が出ます。吐いた後は何事もなかったようにすっきりして、食欲も回復します。気になったので以前、胃や腸の動きをエコーで見てもらいましたが、問題なしでした。だんだん吐く回数は減っているようですが。ちなみに頭が痛いと訴えるのは熱があるときのみです。ビタミンB1は飲むべきでしょうか?

投稿日時:2006-9-22 11:15
投稿者:yasukoga

Re: 教えてください。
久留米大学医学部小児科の古賀靖敏です。
ミトコンドリア病と嘔吐について
ミトコンドリア病では、便秘、下痢、嘔吐などの消化器症状はよくみられる所見です。腸管の蠕動運動は、平滑筋の筋力や種々の消化管ホルモン、それに中枢神経系の作用(嘔吐中枢および周期性ACTH、ADH分泌過剰症、代謝性アシドーシス)など実に様々な要因により影響を受けます。体が酸性に傾くことで起こる代謝性アシドーシスでは、嘔吐はよく診られます。脳卒中様発作を来すMELASでは、脳圧亢進時や、重度の片頭痛発作にともない起こります。MNGIEなどの病型でも消化器症状は必発です。Leigh脳症で起こる嘔吐は、代謝性アシドーシスに伴う嘔吐中枢の異常がメインと考えます。
しかし、ミトコンドリア病でなくとも、子どもでは嘔吐という症状は、良くみられる所見であり、低血糖、自家中毒、周期性ACTH、ADH分泌過剰症、食べ過ぎ、宿便などでもみられますので、すぐに症状がなくなるのであれば、心配いらないと思います。
ビタミンB1は、ピルビン酸脱水素酵素の補酵素でありますので、酵素欠損が確認されていれば、飲んだ方が良いと思います。しかし、ピルビン酸脱水素酵素の酵素欠損がなく、現在元気で、食事も正常に摂れてあれば、補充は要らないでしょう。

投稿日時:2006-9-22 14:44
投稿者:ゲスト

Re: 教えてください。

有難うございます。安心しました。薬の方も元気ならば出来るだけ飲ませたくないので主治医にその旨を伝えてみます。