甲状腺機能検査の結果は正常だったのでしょうか？主治医の説明はどうでしたか。手元に正常値がないので、異常かどうか判断できません。必要ならば調べてまたお答えします。お知らせください。
　CPEOの遺伝子診断は筋生検でなくても、毛根でも出来ると聞いています。このことについては後藤先生にお答え頂きたいと思います。

国立精神・神経センター武蔵病院
埜中征哉

国立精神・神経センターの後藤です。

CPEOというのは、慢性進行性外眼筋麻痺症候群の英語名の略ですが、症候群というのはこのような症状（症候）をもつ病気のなかまという意味です。したがって原因は１つではなく、いくつもあることになります。実際、CPEOの臨床像を示す場合に、筋生検では共通したミトコンドリア形態異常を示すことでこの病気であると診断できることが多いですが、ミトコンドリアDNAを調べる遺伝子検査では、単一欠失、多重欠失、点変異などの種類があり、しかも欠失は骨格筋でないと検出できないことがしばしばです。したがって、検査としては骨格筋生検が一番情報量が多く、診断が確定する可能性が高いわけです。ただ血液を用いても時に欠失を認めることがありますので、血液で診断が確定できる可能性はあるのですが、血液で欠失が認められなかったのでCPEOでないとは言えないわけです。また私は毛根でのミトコンドリアDNAの検査をしたことがありませんので、その有用性については残念ながらよくわかりません。

したがって、もし筋生検に不安があるのであれば、まず血液で欠失や主な点変異の有無を調べることをお薦めします。その上で、主治医の先生とご相談の上、筋生検を行うかどうかを決めるのがよろしいと思います。