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投稿日時:2006-6-19 15:30
投稿者:ゲスト

CPEOの予後について

私は5年程前に不整脈があり、入院しましたが、その時にミトコンドリア脳筋症と診断されました。
その後、両目のまぶたが下垂しものが非常に見づらくなり、また、眼球の動きが悪く、物が二重に見えています。また少しの運動でもすぐに息切れします。
町の総合病院でCPEOと診断され、現在は「ノイキノン」を1日3回服用していますが、瞼の下垂、眼球の鈍い動きが加速されています。
瞼を上げる手術は両目とも実施しましたが、術後、1年たって段々また下垂しています。
このような状態ですが、生活面で何かアドバイスがあれば宜しくお願いします。
以上

投稿日時:2006-6-21 16:32
投稿者:yasukoga

Re:CPEOの予後について 

久留米大学医学部小児科の古賀靖敏です。
上まぶたが落ちて、目の動きが悪くなる病気の代表的ミトコンドリア病にCPEO(慢性進行性外眼筋麻痺)があります。CPEOの原因は、様々であり、1)ミトコンドリアDNAの異常による場合と2)核DNAの異常による場合があります。
1)ミトコンドリアDNAの異常により発症するCPEOの原因は、ミトコンドリアDNAの大欠失による場合とミトコンドリアtRNAの点変異による場合があります。それぞれ、変異の体内分布により、外眼筋のみの異常にとどまり症状の進行があまり無い軽症型と、心伝導ブロック、知的退行、心筋症、筋力低下などの全身性の退行性変化を伴うカーンズセイヤー症候群などの重症型があります。後者の場合、心臓の不整脈、心不全、小脳失調などの症状が出現しやすいので、神経科のみでなく循環器内科、眼科、美容形成外科などの受診が必要です。私が外来でフォーロアップしています4名のカーンズセイヤー症候群の患者様は、26-54歳ですが、心不全の薬も全員服薬されており、内一名は、不整脈の治療として異常伝導路のカテーテルによる焼却術を受けられました。Wolf-Perkinson-White型不整脈、不完全右脚ブロック、上室性不整脈がよく診られます。
2)核DNAの異常による場合は、常染色体性優性遺伝が多く、カーンズセイヤー症候群などの全身型となることが多いようです。
臨床症状が外眼筋麻痺であっても、その遺伝的バックグランドにより重症度にかなり幅があるように思います。この点、主治医の先生に相談されると良いでしょう。
上まぶたが落ちてくる症状に関し、手術された方が2名いらっしゃいますが、投稿して頂きました方と同じように、数年して同じ症状が再び出てこられました。あまり目蓋をつり上げすぎますと、睡眠中も角膜がむき出しとなり、目の角膜が乾燥し角膜潰瘍の危険があります。美容形成外科的な手術になりますので、良い点悪い点を併せて、専門医に相談されたらと思います。
眼科、心臓の検診は6ヶ月に1回は行われた方が良いと思います。

投稿日時:2006-6-23 13:40
投稿者:ゲスト

Re:CPEOの予後について

古賀先生、御返答ありがとうございました。
ミトコンドリア脳筋症(CPEO)についての詳しい内容についてわかりやすく、説明くださり、今後の病気との付き合い方について少し判ったように思います。
いままでは、このようなドクター相談室もなく、病院(神経内科)へかかっても、難病です、の一点張りで詳しい説明がなく、心細くおもっていましたが、この御回答により、気持ちが少し晴れたような気がします。今後共、宜しくお願いします。
以上