投稿日時:2006-6-13 18:02
投稿者:yasukoga
Re:ミトコンドリア脳筋症の長男について
久留米大学医学部小児科の古賀靖敏です。
28歳の息子様がLeigh脳症と診断され、同時にMERRFの症状も合併しているとの事ですね。
2002年のミトコンドリア病の全国調査では、Leigh脳症は小児のミトコンドリア病の3割を占めるほど小児期に多い病型です。その多くは10歳までに亡くなる事が多い重症型とされており、成人期の統計ではLeigh脳症の名前は見られません。その原因は、ミトコンドリアDNA異常に起因するものと核DNA異常によるものなど、多種多様です。Leigh脳症の症状に関しては中野先生が詳細に説明して下さっていますので、ごらんになられて下さい。
MERRFは、成人期に診られることが多い病型です。症状としてミオクローヌス、けいれん、体のバランスがとりにくい失調症状、知的退行、筋力低下、末梢神経障害の為の手足のしびれ、感覚鈍磨、難聴などが報告されています。基本的にはミトコンドリアDNAの異常が報告されています。
最近の報告では、MELASとMERRFの合併なども報告されておりますので、Leigh脳症とMERRFの合併とすれば、これもミトコンドリア病の多様性として見られるのでしょう。
栄養管理が大切です。エネルギー消費があまりない状態では、過剰なカロリーは肥満につながり、ひいては糖尿病などの合併、生活習慣病などの併発も考えられます。必要なカロリーをバランス良く摂ることが大切です。また、経腸栄養は、それ自体完璧なものはありません。微量元素、カルニチン、セレンなどの不足に気をつけなければいけませんので、ミキサー食を一日一回は併用することをお勧めします。
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